【津みなみ通信#9】リンの管理できていますか?
リンの値が高くても、それだけでは体調の変化は感じません。
なぜリンの値が高いといけないのでしょうか。
リンは生命維持に欠かせないミネラルの一種です。通常、血液中のリン濃度は腎臓の調節機能によって一定に保たれています。しかし、腎機能が低下すると、リンが尿中に排泄されず、血液中に蓄積して「高リン血症」になります。
「高リン血症」になると、血液中のリンの影響によって副甲状腺ホルモンが過剰に分泌されます。それによって、骨のカルシウムが血液中へと溶け出し、骨がもろくなって骨折しやすくなります。
また、過剰なリンと骨から出てきたカルシウムが結合して、血管の壁に沈着する「血管石灰化」も進みます。これが大きな問題です。
血管に石灰化が起きると、血管が詰まりやすくなり、動脈硬化を引き起こします。そして、それが悪化すると、心筋梗塞、脳血管障害、手足の壊疽、といった、生命に影響する深刻な事態となる可能性もあります。
高リン血症による症状は分かり難く、値がよほど高くならない限り、自覚症状はありません。それだけに、気が付いた時には手遅れになっている場合があります。リンを多く含むタンパク質などの接種には注意が必要です。
当院ではリンの値は3.5~5.5mg/dlの間で管理しております。
リンの値が高くなってきた患者様には透析の効率調整、薬の調整、栄養士からの聞き取りを行っております。
毎月の採血結果が返ってきた際は数値を確認し、ご不明な点があればお気軽にお声かけ下さい。
リンを上手に調整するには?
骨を健康に保つには、また結果の石灰化を防ぐためには、リンとカルシウムのコントロールが大切です。リンは多くの食品に含まれており、特に美味しいたんぱく質に多く含まれています。
リンの蓄積を避けるには、リンをあまり含まないタンパク質の接種が必要です。ただし、タンパク質不足による栄養失調には気を付けましょう。
食事だけでリンのコントロールをしていくのは大変です。リン吸着薬は飲み方が特殊で、飲みにくい等の理由で、処方されても余らせてしまう患者様もいらっしゃいます。血管を守る大切な薬ですので、飲みにくい場合はご相談ください。